体験談

【体験談】夫婦が別居で1年アパート仮住まい。一番大変なのは退去時だった

今回は夫婦が仮住まいで別居生活した体験談を紹介します。「別居をしてみたものの、別居する意味があったのか分からない。」とならないよう、似た境遇の方の手助けになれれば幸いです。

夫婦で別居仮住まい生活をした田中さん(仮名)

・30代半ばの夫婦と息子5歳の3人暮らし
・夫(私):都内へ通勤 ・妻:専業主婦
・妻の実家は自宅の徒歩圏内
・私の実家は東北方面

別居として「仮住まい」が始まった理由

夫婦喧嘩が絶えず、家庭崩壊がお互いに見えてきました。息子の将来も考えた上で離婚はしない、というのが夫婦の結論でした。そこで私から妻へ提案したのが別居でした。妻と私の母親との不仲、妻の持病による精神的不安定、仕事が夜遅くまでになってしまう私と妻のすれ違い、など夫婦喧嘩の火種は少なくありませんでした。関係の改善に向け、会話が必要なのは分かっていました。しかし、会話するまでに喧嘩に至ってしまう状況を改善する必要がありました。夫婦の距離を取り、精神的に落ち着きを持ち、将来をより良くするための会話をする準備として、私から妻へ別居を提案しました。

「仮住まい」する上で外せないポイント

いきなり物件を探すにも方向性がなければ、探す時間が無駄になってしまいます。まずは探す前に以下2点で整理しました。

  • 仮住まいにかかる費用はなるべく抑える

当時の私の貯蓄(30万円)と給料からの小遣い分(5万円)でした。アパートを借りるにも敷金前払い、火災保険、不動産仲介手数料、光熱費、家具、食費がかかります。どうにか予算内に抑える必要があります。

  • 都内への通勤距離と通勤費のバランス

(通勤距離)

仕事が遅くまでかかるため、通勤時間は自宅からの通勤と同等か抑える必要がありました。別居したのに通勤でより疲れてしまう、これでは仕事に影響が出てしまいます。仕事もプライベートも落ち着かせる必要があると考えました。

(通勤費)

現在の会社は通勤費は固定で月払いでした。予算が少ないことから仮住まい時の通勤費用は自宅よりも安く抑え、会社支給の通勤費の余りを生活費に分配できるのが理想です。問題なのは、「会社に近い駅(23区内)=電車代安い=家賃相場高い」となることです。家賃相場が高い中で安い物件を見つけたにしても、1年間も落ち着いて生活できる環境であることを条件クリアする必要があります。単身用物件を自宅用として探した経験はあります。しかし、自宅であるため、それなりの家賃で探していました。仮住まい探しとして、都内の格安物件を探すというのは未知の世界でした。

別居「仮住まい」の格安物件探しのポイントは内見

ネットで賃貸物件の検索、ネット上の画像での外装内容の確認、不動産会社の物件資料などの情報は、物件探しの最初の一歩です。物件の当たりを付けた上で、物件を内見することが仮住まいを探した経験上で重要だと感じました。会社やプライベートの方々と物件探しの話をする時があります。内見(実際に物件を見に行く)をしないで物件の契約をする方は、意外と多いことに驚きました。しかし、内見をしない前提の共通点としては、「ある程度の家賃相場の中で探していた」ということです。家賃がある程度であれば、外装内装とも綺麗であること、多少の不備があったとしても生活は可能です。

内見した上で我慢できないポイント

一方で、格安物件を同じ前提で考えると、どのような問題があるでしょうか?当時の物件を内見した中で、どうしても我慢ができないポイントが2点ありました。人が生活する上で我慢できないポイントは様々かと思いますが、内見をすることで我慢できないポイントの多くを回避できると思っています。

カビ臭い部屋

物件の大家さんとしても借りてを探す以上、カビ臭い部屋はメリットにならないことは想像できます。大家さんが匂いを除去できなかったということは、よほど予算をかけて掃除をする、またはリフォームをする必要があります。1年の仮住まいとしても、カビの中で生活するのは健康的にも精神的にも限界があります。

隣室からの音

マンションであっても騒音トラブルはあります。格安アパートの壁は薄い前提です。「夜9時以降はドライヤーの使用禁止」のアパートもありました。後は隣人が出す音が大きいか小さいかによります。

別居仮住まい生活で失敗したこと

仕事終わりの少ない時間で5件の物件を内見し、東京メトロ南北線の駅まで徒歩10分圏内のアパートを契約しました。トイレ・シャワー・洗濯機が共用の木造アパート1階で、家賃2万8千円でした。その生活の中で失敗・後悔したことは以下2点になります。

失敗①:夏場にカビが発生

カビ臭い部屋は避けたい、との思いもあり物件の内見で気を付けたのですが、避けることができませんでした。内見は4月頃に行い、内装、匂い、水回りなどをチェックの上で問題なしと判断しました。その後、物件を契約し、生活を始めました。7月頃から気温が上がりました。カビの匂いがしてきたため、対策グッズを用意しました。

  • 空気清浄機(加湿機能なし)
  • オゾンで殺菌をする家電
  • 除湿剤が入っているプラスチックの箱(10個)

グッズを導入して、匂いが多少気にならなくなりました。ただし、それは匂いになれただけで、カビの発生を防げていませんでした。迎えた9月に、会社でワイシャツの匂いを嗅いだところ、カビ臭さがあり職場の方々の目が気になりました。また、冬用に用意したコートに黒カビが発生し、冬到来前にコートは処分となりました。・格安物件とカビはセットと考え、事前に対策が必要です。

服の匂いは、ファブリーズやお香で防止。部屋の服は同じ場所に固定で置くことを止め、定期的に場所を変えつつ、掃除をする。部屋の風通しが良い場合は良いのですが、カビが発生しやすい、イコール風通しが悪い状態です。湿気が溜まる時間が長いほどカビが発生しやすくなります。その対策として、服など同じ場所に置きやすいものは定期的に  移動し、風を部屋中に通し、湿気が溜まることを防止します。

失敗②:退去時の物の処分

仮住まいを初めて、部屋は殺風景な状況です。最初に思いついたのが、家具や家電を揃えることです。予算はありませんが、知人から譲ってもらったもの、リサイクルショップ、ホームセンターでDIYなど、物を用意する手段は多くありました。昔から作ることは好きだったので、パソコン作業用の机、椅子、棚などを作りました。家電は予算の関係上、冷蔵庫は無し、洗濯機は共用のものを借りるとしたため、購入しませんでした。先ほどのカビ対策に予算が取られたこともあります。順調な生活も終盤となり、退去が迫りました。そこで問題が発生しました。部屋の物のほとんどを処分する必要がありました。自宅は広くないため、仮住まいで使った物を収納できる場所はありません。仮に収納できても、使わずに放置することが目に見えていました。

粗大ごみを出すにも準備が必要です。区役所のごみ受付センターへ連絡し、日時指定など手続きが必要です。運が悪く、仕事が退去2,3か月前の時期に忙しくなり、処分の時間がありませんでした。粗大ごみも一度に出せると良いのですが、当アパートの通路も、隣接する道路も狭いため、一度に出せるごみの量が制限されました。そして、退去1か月前を経過しても物が処分できていない状況でした。そこで、粗大ごみで出せない分の家具や布団などを細かく分解することにしました。仕事終わりにやる作業としては重労働でした。退去の1か月間の期間はごみ処分に追われ、自分は何をしているのだろうと考えることが多々ありました。

仮住まいの時に物を購入する際は、最後の処分時を考えて購入する。自宅へ持って帰れるのか、引き取り先があるのか、ごみとして処分できるのか、購入時に計画が必要だったと痛感しました。自宅の時に購入しても、物を処分する際は量も少ないため、処分の計画が重要ではありません。仮住まいを楽しく過ごすために物を買いたくなる衝動に駆られますが、一度冷静になり処分計画が必要です。

「仮住まい」で別居生活のまとめ

別居として仮住まいをするにも予算が予想よりもかかり、生活環境を整えるにも制限がかかります。その制限の中で仮住まい先を探すにも、「カビ」や「物の処分」への事前対策が必要、と今になって実感しています。通常の住まいとして引っ越しする場合と、仮住まいする場合のギャップは何なのか、今回の私の事例を元に考えることで、より快適な仮住まいの手助けになれば幸いです。