自宅の建て替えやリフォームで必要となる、仮住まいへの引っ越し。
仮住まいとしてUR賃貸住宅の利用を検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では仮住まいとしてUR賃貸物件を利用するメリット/デメリットを紹介します。
メリット
デメリット
仮住まいにURの賃貸物件を利用するメリット
仮住まいとしてUR賃貸物件を利用することには7つのメリットがあります。
メリット①:短期賃貸利用が可能
UR賃貸物件は、短期違約金がありません。
短期で退去をした場合、クリーニング代や再度募集をかけるための広告費などで収益がマイナスになってしまう可能性があるため、一般的な賃貸物件では短期での退去を禁止する契約が多いです。
そのため、「契約始期日から1年未満で解約する場合は、賃料1か月分を支払う」といった短期違約金の支払いを求められます。URでは、短期違約金が発生しないため、短期での利用が前提の仮住まいにはピッタリです。
メリット②: 初期費用が抑えられる
一般的な賃貸物件を借りる際、初期費用として仲介手数料や礼金、鍵交換代を支払うことが多いです。できるだけ抑えたいのが仮住まいの初期費用。
UR賃貸物件は、仲介手数料や礼金、鍵交換代が不要です。以上のように、仲介手数料や礼金、鍵交換代がかからないのはUR賃貸住宅を仮住まいとして利用する大きなメリットです。
メリット:③ 家賃保証会社、保証人が不要
UR賃貸住宅は保証人、家賃保証会社の利用が不要なので面倒な手続きや、余計な初期費用を抑えることができます。
多くの賃貸物件では、保証人が必要です。また、保証人不要の場合は、家賃保証会社の利用が必須となります。家賃保証会社を利用する際は、保証会社との保証委託契約という契約を結びます。そのため、初期費用で初回保証料といった費用の支払いが必要となります。また、毎月手数料を取られることもあります。短期での契約で初回保証料を支払うのはもったいないですよね。
メリット④: 火災保険の加入を自由に選べる
UR賃貸物件は、火災保険の加入が任意です。一般の賃貸物件では、火災保険の加入が必須となっている場合が多いです。また、管理会社などによっては、自社で指定した火災保険への加入を入居審査時の条件にするなど事実上、火災保険への加入が必須となっています。
UR賃貸住宅では火災保険への加入が任意です。自分で選んだ保険料の安いプランに加入することもできます。火災保険は、有事の際に自分たちの財産を守るためにあります。火災保険への加入が任意だからといって無保険で賃貸物件に住むことにはリスクがあります。火災保険への加入が任意というメリットを利用して、自分たちに合ったプランに加入することをおすすめします。
メリット⑤: ファミリータイプの物件が多い
UR賃貸住宅のサイトを見てみると、比較的大きな間取りの物件を取り扱っていることがわかります。仮住まいを必要としている方は、比較的ファミリー層の方が多いです。3LDKの物件なども扱っているため、家族で仮住まいを探している方は最適な物件を探すことができます。
メリット⑥: 解約予告が2週間前
UR賃貸住宅は、解約予告が2週間前です。賃貸住宅賃貸借契約解除届という解約書類を提出することで提出の日から15日以降で解約ができます。リフォームや建て替えで仮住まいを必要としている場合、基本的に自宅へ戻る日を明確に決めることができません。
一般的な賃貸物件の解約予告は1~2か月前です。そのため、2週間前の解約予告で退去ができるUR賃貸住宅は仮住まいとして利用がしやすいです。
(出典:URコミュニティ Q&A 退去・転居・その他手続き)
メリット⑦: 退去時のトラブルが少ない
URでは、退去時に入居者が負担する原状回復費用を明確に定めています。また、入居者の負担区分を明確にし、案内することをHPでも紹介しています。退去時には、原状回復の査定担当者と立会いのもと、費用を算定します。
現地で一緒に汚損部分を確認することができるので、納得のいく原状回復費用の見積もりが出せます。賃貸物件でトラブルの多い退去時の原状回復費用。UR都市機構は、『UR賃貸住宅の模様替え基準の見直し(緩和)について』で具体的な原状回復義務の有無を明示するなど、安心して入居できるサービスが整っています。
(出典:URコミュニティ Q&A 退去・転居・その他手続き)
仮住まいにURの賃貸物件を利用するデメリット
メリットの多いUR賃貸住宅ですが、注意すべきデメリットもあります。
デメリットを把握して、UR賃貸住宅を利用しましょう。
デメリット①: 物件によっては駅から遠い
物件を検索してみると、駅から遠い物件も存在します。UR賃貸住宅は件数が限られているため、一般の賃貸物件と比べて圧倒的に候補が少ないです。そのため、希望エリアによっては最寄り駅まで時間のかかる物件のみ募集している可能性もあります。
しかし、駐車場や駐輪場を完備している物件が多数あります。仮住まいですので、一時的に自転車や車を利用するなどの対応が可能な方は特に問題ありません。
デメリット②: 築年数の古い物件がある
物件を検索してみると、築年数が40年を超える物件があります。もちろん築年数の浅い物件もありますが、その分家賃が高いです。
エリアや仮住まいを探す時期によっては、古い物件のみの募集を行っている可能性があるため、築年数を気にする方は一般の賃貸物件で探すといった対応が必要です。
デメリット③: 設備の古い物件がある
古い物件があることに付随して、設備の古い物件も存在します。UR都市機構は、UR賃貸住宅に住む入居者向けに『住まいのしおり』を公開しています。
住まいのしおりでは、浴室設備の改良やエアコンの取り換えなどUR都市機構で行う修繕について詳細を確認することができます。古い設備であっても不備が生じた場合、修繕の担当がUR都市機構である場合には、UR都市機構の負担で修繕を行います。
設備の古い物件が多数存在しますが、かなり詳細に負担区分を明記しているため、設備の古い物件を借りることになっても安心して生活ができます。
デメリット④: 希望のエリアにUR賃貸物件がない場合がある
繰り返しになりますが、UR賃貸住宅の件数は少ないです。そのため、希望のエリアに賃貸物件がない可能性が高いです。検索をしてみると、東京や大阪などでは物件の件数が多いです。
しかし、郊外では物件がかなり限られます。希望のエリアにUR賃貸物件が存在しない可能性がありますので、前もって調べておくことをおすすめします。
デメリット⑤: 入居は先着順
入居は先着順です。人気の物件は早く申し込まなければ入居ができません。一般の物件と比べて、物件数も少ないです。希望を完璧に叶えたいという方は、一般の賃貸物件が向いています。
デメリット⑥: ペット不可の物件が多い
UR賃貸住宅はペット不可の物件が多いです。ペットを連れて仮住まいへ引っ越す方は、URで人気の物件を探すのは難しいかもしれません。
デメリット⑦: 家賃がやや高め
URの賃貸物件は相場よりも家賃が高く設定されていることが多いです。そのため、毎月の費用としては相場よりも高額となります。初期費用が相場より安いというメリットもありますので、総合的に判断する必要があります。
デメリット⑧: 入居時の審査が厳しい
UR賃貸住宅は、入居に際しての審査基準が5つあります。その中で一番重要なのが、申込者の平均月収が基準を超える必要があるということです。家族で82,500円以上20万円未満の物件に住む場合は、固定で毎月33万円以上の収入が必要です。
12万円程度の物件を借りたいという場合にも33万円の月収が必要ですので、若い世代では特に厳しい条件になるのではないでしょうか。
(出典:UR賃貸住宅 お申し込み資格)
【体験談】「仮住まい」でUR賃貸住宅に3ヶ月住んでみた。
「仮住まい」をする理由:住み替えのため、短期でUR賃貸住宅に住む
家を建てるにあたって住んでいた分譲マンションを売り、短期間仮住まいをする必要がありました。仮住まい期間はおよそ3カ月間、いろいろな民間賃貸を探しましたが初期費用が安く、短期契約可能なところはありませんでした。
そんな時知ったのがUR賃貸住宅。
ファミリータイプの物件でそこそこの広さがあり、礼金がかからず短期の引っ越しでも違約金を支払わずに済む、とUR賃貸住宅での仮住まいにはメリットが多くあったのです。
「仮住まい」UR賃貸住宅を選んだ理由
民間賃貸のほとんどが短期違約金を支払ったり、短期間では借りられませんでした。UR賃貸住宅の場合2週間前に退去の手続きをするだけで、短期違約金を支払わずに退去することができます。
UR賃貸住宅は初期費用が安く、仮住まいとして経済的なメリットがあります。仲介手数料や礼金は0円、鍵交換代と保証人は不要で火災保険は任意となっています。また更新料が不要なので仮に住み替えやリフォームが長引いたとしても、余計な費用はかかりません。
子育てをしながら住む場合、そこそこの広さは欲しいところですよね。その点UR賃貸住宅は比較的広く、LDKなどのファミリータイプの物件が数多くあります。タイミングが良ければ1階の物件にも住めるので、子どもの足音も気にしなくてすみます。
「仮住まい」UR賃貸住宅への入居【5.Step】
- UR賃貸住宅の仮申込
- UR賃貸住宅の内覧・本申込
- UR賃貸住宅に必要な書類提出
- UR賃貸住宅の契約
- UR賃貸住宅への入居開始
Step1:UR賃貸住宅の仮申込
UR賃貸住宅のwebサイトで希望条件を指定し、空室情報を検索します。内覧希望の物件があれば、UR営業センターやURショップへ内覧連絡してください。ただし、申込は先着順なので希望の物件があればすぐに仮申込をしましょう。
Step2:UR賃貸住宅の内覧・本申込
希望する賃貸の確認として内覧が可能です。URショップで運転免許証などの本人確認書類を提出し、鍵をもらいます。私の場合は、URショップの方が車を出して賃貸まで送ってくれました。内覧は原則1回だけなので、設備や部屋の広さ、収納を重点的に確認しました。賃貸を決めたら本申込をします。その際提出が必要な書類を教えてもらえます。
Step3:UR賃貸住宅に必要な書類提出
本申込の翌日から1週間以内に書類を提出します。入居資格の確認に必要な書類は以下の通りです。
- 住民票(申込者本人および同居される全員のもの)
- 前年分の源泉徴収票
- 本年度の課税証明書または本年度の住民税決定通知書
契約までにUR都市機構の発行する払込票で、初期費用として家賃2か月分の敷金、入居する月の日割り家賃・共益費を振込します。契約時に領収書を持っていきましょう。店頭でも詳しい説明はありますが、webページも参考にしてください。
Step4:UR賃貸住宅の契約
契約日は書類提出後の1週間以内となっています。契約に必要な書類は以下の通りです。
- 賃貸借契約書(事前に必要事項をご記載いただきます。)
- 初期費用を支払った際の領収書
- 本人確認書類(運転免許証またはパスポートなど)
- 実印および印鑑証明書
※ただし契約者本人が契約に行き、写真付きの本人確認書類(運転免許証等)のコピーを提出すれば、印鑑証明書は不要となります。
Step5:UR賃貸住宅への入居開始
入居の開始可能日以降に管理サービス事務所などで賃貸の鍵を受け取ります。ただし、家賃・共益費は入居開始可能日から発生します。内覧と本申込の翌日から1週間以内に書類を提出し、その後また1週間以内に契約、と慌ただしいスケジュールとなっています。市役所に貰いに行かなければならない書類も多いので、平日に動ける人がいないと大変でした。一般の賃貸と比べるとそこが多少ネックかと思います。
「仮住まい」UR賃貸住宅に住んでみて良かったこと
- 部屋が広く収納が多い
- 歩道と車道が分かれている
- 公園や緑が多い
- ゴミ捨て場や公共部分が綺麗
仮住まいとして引っ越しする際、荷物が多くて困ることはありませんか?ファミリータイプの物件では、それぞれの部屋が広いのでひと部屋を物置部屋とし、すぐに使わない物を置いておけます。押入れも十分な大きさがあり、季節ものなどそのまま片づけておけるので、短期間で引っ越す身としては助かることばかりです。
歩道も広く車道としっかりと区切られているため、散歩をする時に子どもが急に走り出しても大丈夫。周りの道も広めに取られているところが多いので、危ない思いをしません。
大規模な団地に住んでいるため敷地内に公園があり、子どもとのびのびと遊ぶことができます。またいろいろな場所に植栽や花が植えられているので、季節の移り変わりを感じられて良かったです。夏には頻繁に草刈りや防虫剤の散布が行われているので、草が伸びっぱなしで虫だらけと感じたことはありません。
ごみ収集場や公共部分も清掃が行き届いているので、気持ちよく利用ができます。公園内も管理サービス事務所のかたがたが掃除をしているので、ゴミが落ちているのを見かけません。
「仮住まい」UR賃貸住宅に住んで後悔したこと
- 希望するエリアに賃貸の空きがない・駅から遠くなった
- ペット禁止が守られていない
- 自転車置き場から自転車が溢れている
物件によって変わりますが、駅から遠い物件もあります。最初住み替え予定の市に住もうと思っていたのですが、UR賃貸住宅が1つしか無く、駅から近いこともあったためか空き物件が全く出ませんでした。そのため別の市にある今のUR賃貸住宅を選びましたが、駅から15分と遠い物件になりました。ただ駅までバスが出ているのでそこまで不便に感じません。
UR賃貸住宅はペット共生住宅以外はペット禁止となっているのですが、飼っている方をたまに見かけます。階段にもペットの毛が落ちていたり夜に鳴き声が聞こえることも。ポスターや張り紙を見かけますが、特に改善しているように思えません。
自転車置き場の使用は無料ですが、自転車置き場の大きさが数に合っていません。屋根付きの自転車置き場は多くの人が停めているため出し入れが非常にしにくくなっています。ただし年1回は放置自転車を撤去するので、不要な自転車は少ないです。
「仮住まい」でUR賃貸住宅に住むメリット・デメリット。8つのポイントに注意!まとめ
今回は、仮住まいとしてUR賃貸住宅に住むメリット・デメリットを紹介しました。初期費用を抑えられる、短期での利用が可能というメリットがある一方、審査が厳しい、物件のエリアが限られるといったデメリットもあります。
できるだけ最適な仮住まいを見つけられるよう、参考にしてください。
(出典:UR賃貸住宅 物件を探す)