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「仮住まい」期間をケース別に解説【建て替え・リフォーム・新築】延長する場合は要注意!

仮住まいの期間がどのくらいになるか、目安を知りたい方も多いでしょう。この記事では、建て替え・リフォーム・新築の仮住まい期間を紹介します。期間によって変わる物件の選び方や注意点も解説するので、仮住まいで失敗しないためにチェックしておきましょう。

仮住まい期間の目安は?【ケース別解説】

仮住まい期間は工事の規模によって変わってきます。一般的な目安期間がわかれば、準備を進めやすいでしょう。ここでは、建て替え・リフォーム・新築の仮住まい期間の目安を紹介します。

建て替えの仮住まい期間

家を建て替える場合、仮住まいの目安期間は約1年です。ここでは、木造一戸建てを建て替える流れと目安期間を紹介します。

建て替えの流れ目安期間
引っ越し・不用品処分2週間
養生・解体・整地7~10日
地盤調査・地盤改良1~7日
新築工事・引っ越し4~8ヵ月

建て替えにかかる期間は、トータルで5〜10ヵ月が目安です。そのため、建て替えの仮住まい期間は、準備期間を含めて6ヵ月〜1年程になると思っておきましょう。分譲マンションの建て替えであれば、仮住まい期間は9ヵ月〜1年半が目安です。

着工前と完成後は、それぞれ2週間~1ヵ月程度余裕を持って仮住まいを契約しておくのがおすすめです。なぜなら、建て替え完了後すぐに新しい生活をスタートできるわけではないからです。仮住まいしながら、並行して新しい家の生活環境を整えていきましょう。

リフォームの仮住まい期間

リフォームの場合、仮住まいの目安期間は約3~7ヵ月です。仮住まい期間はリフォームやリノベーションの規模によっても異なります。

ここでは、フルリフォーム(スケルトン)の目安期間を紹介します。

建物目安期間
戸建て3.5~6ヵ月
マンション2.5~5ヵ月

水回りだけのリフォームなら、数日で完了するケースもあります。しかし、フルリフォームの場合は2.5〜6ヵ月程かかります。そのため、リフォームの仮住まい期間は、3〜7ヵ月程度と想定しておきましょう。配管工事や間取り変更を伴うリフォームでは、仮住まい期間も長くなります。また、マンションをリフォームする際には、管理会社や組合に事前申請が必要です。管理規約で申請期間をチェックしておきましょう。

新築建築中の仮住まい期間

新築の仮住まい目安期間は、約6ヵ月〜1年半です。

戸建て新築6〜10ヵ月
マンション新築~1年半

更地から戸建てを新築するときの仮住まい期間は、6ヵ月〜10ヵ月程度です。新築マンションの完成を待つ場合の仮住まいは、購入時期によって違いがあります。長ければ1年以上かかるケースもあります。完成予定日を確認して、仮住まいの見通しを立てましょう。

長期の仮住まい物件の選び方と注意点

長期(6ヵ月以上)の仮住まいの選択肢は、主に下記3つです。

  • マンスリーマンション
  • 一般賃貸
  • UR賃貸

ここでは選び方と注意点について紹介します。

尚、仮住まいを選ぶスケジュールは工事着工日から逆算しましょう。

着工2ヵ月前情報収集・比較
着工1~1.5ヵ月前内見・申し込み・審査
着工1ヵ月前契約
着工2週間前仮住まいへ引っ越し

工事着工日の2ヵ月には、ある程度情報を収集できているのが理想です。

長期(6ヵ月以上)の仮住まい物件の選び方

マンスリーマンション・一般賃貸・UR賃貸のどれが良いかは、優先事項によって変わります。

人によって仮住まいに求める条件は違うでしょう。「学区内で探したい」「家具家電は自宅から持っていきたい」「費用を安く抑えたい」などさまざまな希望があるはず。どの条件を優先するか、家族と話し合いましょう。特徴を比較しているので、選ぶときの参考にしてください。

マンスリーマンション一般賃貸UR賃貸
物件数
初期費用賃料賃料5~7ヵ月分賃料2~3ヵ月分
賃料相場高い普通若干高い
退去費用定額清掃費・原状回復費クリーニング代・原状回復費原状回復費
光熱費・インターネット定額(物件によっては別途追加料金あり)別途(物件によってはインターネット使用料無料)別途
家具・家電・照明・カーテン等ありなしなし

マンスリーマンションは家具家電が付いているため、身軽に引っ越しができます。その分賃料は高いですが、リフォームのタイミングで家具家電を一新する方にはおすすめです。

一般賃貸は初期費用が高めですが、賃料は他より抑えられるため、仮住まい期間が長期の方は総額で比較してみてください。物件数が多いため「学区内で探したい」「広さや築年数にこだわりたい」という方におすすめです。

UR賃貸は、初期費用と退去時費用が安いのが特徴です。エリアによって物件数が違うため、希望エリアにUR賃貸があるか確認してみましょう。トータル費用を安く抑えたい方におすすめです。

仮住まい物件の種類や特徴はこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」の選び方・特長・注意点を徹底解説。UR賃貸は礼金なしで意外とオススメ。

長期仮住まいするときの注意点

マンスリーマンション・一般賃貸・UR賃貸のどれを選ぶか迷ったときには、下記注意点も参考にしてください。

マンスリーマンションに長期仮住まいするときの注意点

  • 滞在期間が長くなると割高
  • 自分の家財を搬入できない
  • 延長できない可能性がある
  • 賃料は基本的に一括前払い

一般賃貸に長期仮住まいするときの注意点

  • 契約費用と退去時費用が高額
  • 短期違約金がかかる場合がある
  • 短期賃貸は入居を断られる可能性が高い

UR賃貸に長期仮住まいするときの注意点

  • 築年数の古い物件も多い
  • 周辺賃料より少し高い
  • ペット不可な物件が多い

注意点を知っておけば、仮住まいを探すときに戸惑わずにすみます。それぞれ特徴があるため、自分に合った仮住まいを選んでください。

短期の仮住まい物件の選び方と注意点

仮住まい期間が短期(~6ヵ月)の場合は、一般賃貸だと割高になる可能性が高いです。そのため、仮住まい期間が数ヵ月間であれば、下記2つが選択肢になるでしょう。

  • ウィークリー(マンスリー)マンション
  • UR賃貸

短期の仮住まいの選び方として、まずは希望エリアに物件があるかを事前に調べてください。ウィークリー(マンスリー)マンション・UR賃貸どちらも短期の仮住まいに向いている物件です。ただし、一般賃貸物件と比較するとどちらも物件数が少ないので注意が必要です。

特にウィークリー(マンスリー)マンションは単身者向けが多く、ファミリータイプの物件は限られているので早めに情報収集しておきましょう。

また、この2つの大きな違いは、家具家電の有無です。ウィークリー(マンスリー)マンションには自宅の家具家電を搬入できないため、別途トランクルームや荷物預かりサービスなどで費用がかかってしまいます。

家具家電を搬入したい方は、UR賃貸物件を選ぶのがおすすめです。もし、ウィークリー(マンスリー)マンション・UR賃貸どちらもない場合は、エリアを外すか一般賃貸物件を検討しましょう。

一般賃貸は初期費用が高いため、礼金や仲介手数料を交渉してみてください。特に仲介手数料は不動産会社によって金額が異なります。一般的には賃料の1ヵ月分(税別)が多いですが、0.5ヵ月や無料になる場合もあるので交渉できる可能性が高いです。

想定より仮住まい期間が長くなった場合の対応方法

建て替えやリフォームなどの工事請負契約書には、工期が明記されています。しかし、天災やトラブルで工期に遅れが出れば、仮住まい期間を延長しなければなりません。退去日の変更ができない物件の場合は、再度仮住まいを探すことに…。費用も手間もかかるため、このようなトラブルは避けたいです。

そのためには、想定より仮住まい期間が長くなる可能性を考慮することが重要です。押さえておきたいポイントとして、「契約形態」と「解約予告」について解説します。

契約形態「定期借家契約」は期間に着目

通常の賃貸は、普通借家契約といって更新が可能な契約になっています。仮住まいの契約形態で注意したいのは、定期借家契約です。定期借家契約は、期間が定められた契約で更新ができないのが特徴です。

例えば、オーナーが海外赴任中の6ヵ月間だけ賃貸に出している場合や、マンスリーマンションなどが当てはまります。短期契約が可能であり、契約の段階で入居期間が定められています。もし契約満了後に引き続き入居したい場合は、再契約が必要です。しかし、貸主の同意がなければ再契約はできません。そのため、仮住まいが定期借家契約の場合は、期間の延長が難しいということです。

リフォーム完了予定が4ヵ月後で、5ヵ月しか住めない定期借家を借りるのはリスクがあります。定期借家の場合は、期間に余裕がある物件を選んでください。

仮住まいで解約予告を出すタイミング

仮住まいを退去する際には、管理会社へ解約予告(解約通知書)を出すケースがほとんどです。契約書に「解約希望日の1ヶ月前までに申し出ること」などと記載があります。

工期予定に合わせて解約予告を出したものの、後日工事業者から「工期が1ヵ月ほど延びそうです」と連絡が入るといったトラブルも発生しています。必ず工事業者と進捗を確認してから、解約予告を出しましょう。

解約予告を出すと、管理会社は次の入居者を募集します。次の入居者が決まっていれば解約日の変更はできない可能性が高いです。解約予告を出すタイミングは、工事完了日が確定してからをおすすめします。

仮住まい期間のまとめ

今回は、仮住まいの期間を「建て替え」「リフォーム」「新築」のケース別に紹介しました。仮住まいは、期間によって物件の選び方が変わってきます。まずは工事業者に工期目安を確認して、期間に合った仮住まいを調べましょう。

ただし、工期が遅れて想定より仮住まいが長引くケースも少なくありません。仮住まいの延長ができず、住むところがなくなってしまったら一大事です。仮住まいを探す際は、期間に余裕を持って最適な物件を選んでください。注意点をおさえておくだけで、不安なく準備を進められるはずですよ。