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物件探し

賃貸契約時に「仮住まい」であることは伝えるべき?言わないとどうなるのか【現役大家が解説】

ご自宅の建て替えやさまざまなご事情により一時的に仮住まいを探される方もいると思います。賃貸物件を探しても一般的な賃貸物件ではほとんどが2年契約であり、半年間や数か月などの短期契約はできないのかと不安に思う方もいるでしょう。

・オーナーさんや管理会社に嫌がられないだろうか?

・短期という悪条件だから高い金額を提示されたらどうしよう?

・できる限り安く借りたい

こんなお悩みをお持ちの方へ現役大家がすべての疑問にお答えします。この記事をご覧いただければ、安心・お得に仮住まいを探すことができます。

契約時に「仮住まい」であることを伝えるべきか?伝えない場合なにがおこる?

結論から申し上げますと「短期契約である、仮住まいである」ことは伝えた方がよいです。なぜならその契約に合わせた物件選び・契約があるからです。仮住まいであることを伝えた場合と途中解約にした場合、それぞれの内容について最初に解説致します。

契約時仮住まいを伝える場合のメリット・デメリット

「仮住まい」
であることを伝える
メリット
「仮住まい」
であることを伝える
デメリット
  • 短期契約ならその入居期間に応じた物件を紹介してくれる。
  • 入居から退去まで全体の概算が分かり退去時のトラブルを避けられる
  • 一般賃貸でなく割高なマンスリーなどをすすめられることが多い
  • オーナー側にとって短期契約はメリットが少ないため紹介物件が限定される。

メリット①:短期契約ならその入居期間に応じた物件を紹介してくれる。

最近はインターネット上で住まいを探す方が多いです。

その方法でもよいのですが、できれば仮住まいの場合最初から地域の不動産会社へ相談することをおすすめします。

インターネット上での住まい情報は一時情報でしかありません、不動産会社は多くの物件や情報を持っており「この賃貸のオーナーなら了承してくれるだろう」など融通が利く物件を紹介してくれることが多いです。

メリット②:入居から退去まで全体の概算が分かり退去時のトラブルを避けられる

退去後のハウスクリーニング費用や原状回復工事についても、あらかじめこのくら

いの額になると概算をだしてもらえます。

ご入居される方は安心して短期契約を結ぶことができるのも大きなメリットです。

デメリット①:一般賃貸でなく割高なマンスリーなどをすすめられることが多い

短期契約での第一選択肢としては、おおむねマンスリーのマンション・アパートをすすめられることでしょう。

家具や寝具なども一式整っているので、家財をトランクルームなどに預けて入居先を探す方にとっては便利です。

しかし、マンスリーのマンション・アパートは都市部以外では数が少なく割高になるのがデメリットです。

デメリット②:オーナー側にとって短期契約はメリットが少ないため紹介物件が限定される。

全国的にマンション・アパートが多くなり空室率が高くなっている傾向があります、前ほどではありませんが一部オーナーでは短期契約を嫌がる方もいるのは事実です。

オーナーにとっては数ヶ月~半年で退去され閑散期に空室になると、移動時期まで次の入居者が決まらないことが多く最初から長期の方に限ると限定するオーナーもいます。

そのため不動産会社としても、一般賃貸で紹介できる物件が限定されてしまうというデメリットがあります。

契約時に「仮住まい」であることを伝えずに途中解約でおこること

 一般契約で最初契約しての途中解約では金額的にデメリットが大きいです。 内容としては以下の2点があげられます。

  • 敷金は返還なくハウスクリーニング費用も全額自費負担
  • 違約金を請求される可能性が高い

 事前に伝えず短期途中解約になるとこのような不利益が発生します。事前に伝えておけば違約金を払うことはありません。仮住まいであることを最初からお伝えしておいたほうがトラブルを避けられます。

「仮住まい」でフリーレントの悪用は絶対やめる

短期契約で最も問題になるのは、フリーレントを悪用する入居者の存在です。 フリーレントとは最初の3か月程度家賃無料で入居できるという特典付きの賃貸契約のことです。

短期契約自体嫌がられるのを恐れて、短期契約であることを隠しまた数ヶ月無料になることを狙ってフリーレント契約後短期で解約する場合かならず解約金が発生します。 オーナー側からみれば、長期契約を前提で契約したにもかかわらず家賃なく解約されるのですからこれは当然であり契約書にも明記されています。

この場合は契約内容にもよりますが、入居した分の家賃と解約金・ハウスクリーニング費用全額負担となり入居時の敷金は返還無になります。事前に了承しての契約になるのですが、退去時に大金を請求されるためトラブルになるパターンが非常に多いです。

支払い請求を滞ると入居時の保証会社へ連絡がいくこととなり、今後さまざまな審査に支障がおこることもでてきますのでフリーレント悪用はやめた方が良いでしょう。

契約期間によって探すべき賃貸物件と契約内容について

仮住まいの期間はご事情により数ヶ月~半年以上になる場合もあります。リフォームなら2~3カ月位で、建て替えなどの場合は半年前後になる場合が多いです。仮住まいの期間により探す物件や賃貸の契約内容についてまとめてみました。

定期建物賃貸借契約と一般賃貸について

仮住まいを探す場合のコツとして不動産会社への問い合わせ時、またはインターネットの検索項目に「定期建物賃貸の物件」で探してみてください。

定期建物賃貸とは、基本的に契約時に半年契約を締結したら更新なく契約期間を終えるという契約です。双方の合意があれば更新という形でなく、再契約が可能という契約形態です。

もともとは、数年後に建物全体の建て替えを予定しているオーナーなどが利用していた契約方法でしたが最近は短期契約に用いられることが多くなっています。インターネット上で検索すると場所によりますが、首都圏ではかなりの件数が出てくることでしょう。

そのほとんどは築古物件になり、普通賃貸でも募集しているが短期でも対応するという物件です。

お住まいの地域でマンスリーのマンション・アパートがない場合や一般賃貸で見つからない場合はこのような定期建物賃貸での契約を探してみるもの一つの方法です。

契約期間が3カ月以内の場合の物件探し

賃貸物件を探す場合、3カ月以内の短期だと借りることができる物件はかなり限られてくるでしょう。

仮住まいで借りれる物件例
  • マンスリーのマンション・アパート
  • UR賃貸物件など
  • 定期建物賃貸可能な物件
  • 民泊
  • シェアハウス

「仮住まい」の選ぶ方や探し方はこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」の探し方・選び方を完全解説。期間や荷物量は要確認。

3カ月以内ならこれらの物件契約をする方が一番スムーズに行きます。契約形態も短期限定に柔軟に対応できるようになっており、シェアハウスや民泊などは180日を上限とする契約になっています。短期対応物件では月単位での契約が可能であり、ハウスクリーニング費用などもあらかじめ取り決められています。

金額的には一般住宅よりやや割高感があるのがデメリットでしょう。

契約期間が半年~1年以内の場合

ある程度長い期間での契約なら、普通の賃貸物件も可能なところも出てくる場合があります。不動産会社へ依頼し対応可能が一般賃貸を探す、または前項でご紹介したような短期可能物件を探すことになります。

その他の方法としては空き家バンクで賃貸可能物件を探す方も多いです。仮住まい期間の間も通学や通勤もあるためあまり離れた場所に行くことも難しい場合は各自治体での空き家バンクに問い合わせてはいかがでしょうか。

「仮住まい」に住む期間についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」期間をケース別に解説【建て替え・リフォーム・新築】延長する場合は要注意!

仮住まいを安く借りる交渉のコツ

仮住まい探しは、一般賃貸よりも条件が悪く割高な賃貸料を払う場合があります。その理由としては、少なからず短期契約を嫌がる管理会社やオーナーが多いということも原因の一つです。

借りる側からすれば空室なのだから、数ヶ月でも家賃がはいれば良いのではと思われがちですがオーナー側からすれば短期契約はあまりメリットがありません。

出入りが激しくなれば部屋も傷みますし、退去後また募集をかければ近隣業者から出入りが多い物件、また短期契約OKな物件だと思われれば他のオーナーが嫌がる短期契約しかこないデメリットもあります。

近隣にマンスリーのマンション・アパートなどがなく、一般賃貸で仮住まいを探す場合お得に物件を借りるコツについてお伝えします。

「仮住まい」を超安・無料で借りる方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」が無料・超安で借りられる工務店・リフォーム会社を紹介【全国版】

荷物の置き場として2部屋同時契約

一番オススメなのは、この方法です。建て替えやリフォームの場合、家財をいったん倉庫やトランクルームに保管することになるでしょう。居住する部屋と家財置き場として2部屋同時契約する、この条件なら契約できる物件の幅はグッとひろがります。

倉庫やトランクルームなども部屋を借りるよりは高いかもしれませんが、家財がすぐそばにあれば衣服の出し入れや整理も気軽にできます。一般賃貸で2部屋空室の物件は少なからず存在しますし、一度に2部屋同時契約ということは通常募集ではほぼありません。

オーナーからも2部屋同時契約で契約期間半年位なら拒否されることは少ないです。

空室が多い自主管理物件が狙い目

物件を探す場合、普通契約の大手アパート・マンションメーカーなどは厳しいです。しかし個人で自主管理しているアパート・マンションなら交渉の価値ありです。新築は無理でも、築年数が10年以上で2部屋以上空室がある物件なら契約できる可能性は高いです。場合によっては2部屋同時契約なら家賃も交渉次第で下げてもらえるケースもあるので試してみる価値はあります。

「短期ですが2部屋契約します、空室があるマンション・アパートありませんか?」こんな感じで不動産会社へお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

仮住まい入居時に必要なお金と保険について

仮住まいをされる方が気になる入居初期費用や保険契約についてお伝えします。

入居初期費用

短期契約される方からみれば「敷金などは必要だが、家賃は普通契約と同じでは?」と考える方がほとんどだと思います。結論から申し上げますと、概ね月々家賃は同額でも初期一括払いを要求される場合もあります。

特にマンスリーのマンション・アパートなどは初期一括払いという契約形態が多いです。

具体的な初期費用
  • 仲介手数料・・・・・家賃一か月分
  • 敷金・礼金・・・・・それぞれ家賃一か月程度(最近は敷金・礼金無も多いですが仮住まいは請求される場合が多い)
  • 契約期間の火災保険・・・・・契約会社や内容によりますが数千円~10,000円程度(1年契約で契約し、解約後に解約返戻金で戻ります)
  • 家賃・・・・・契約内容により入居期間分一括前払いもあり。

「仮住まい」にかかる費用相場についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」の相場はどのくらい?期間別の費用【総まとめ】

保険契約について

たとえ数ヶ月の契約期間であったとしても、最低1年分の火災保険(家財保険も含む)保険契約は必要となります。いったん1年分を支払い利用しなかった月数に合わせて解約返戻金として戻ってきますのでご安心ください。

仮住まい契約が延長あるいは途中解約する場合どうなる?

建て替えやリフォーム工事が予定より長引いた、また早く入居できるので途中解約を希望したいという場合もあると思います。そんな時の手続きや事前告知について解説します。

仮住まい契約を延長する場合

延長・途中解約いずれも退去予定日の1ヶ月以上前に管理会社やオーナーに連絡する必要があります。延長時は管理会社やオーナーが了承し、更新手続きすれば特に問題はないでしょう。

契約時に「建て替えやリフォーム工事が長引き延長の場合もあります、1カ月単位などで延長可能ですか?」とあらかじめ不動産会社へ確認しておきましょう。そのまま延長できるはずと思い込んでいても、賃貸募集は不動産会社も早めに行うものです。

次の入居申し込みが発生する可能性もあるのでトラブルを未然に防ぐためにも事前確認は必要です。

仮住まい契約を途中解約する場合

マンスリーのマンション・アパートまた民泊やシェアハウスなどでは、事前に一括で家賃の払い込みをする場合もあることはお伝えした通りです。短期前提物件場合の途中解約の返金については、事前に契約書に明記されているとおもいます。

退去事前予告も30日前までという日数が限定され、返金対応も無いかあっても少額の返金になる場合もあります。さらに解約手数料などを請求される場合もあるので、契約時不動産会社へその旨もご確認ください。

仮住まい退去時に必要な費用と原状回復工事発生の注意点

入居期間が数ヶ月であっても生活をした室内のため、ハウスクリーニング費用は正規料金が必要と考えた方が良いでしょう。それでもハウスクリーニング費用を少しでも安くする方法や退去時にトラブルになりやすい原状回復工事について解説いたします。

ハウスクリーニング費用を安くするコツ

あらかじめハウスクリーニング業者を特定されている大手アパート・マンションは難しいですが、個人で自主管理している物件であれば退去時にハウスクリーニング業者を入居者が選ぶことができます。

オーナーからすれば、キレイにしてもらえばよいので了承してもらえる物件やオーナーもいます。ちなみに同じ広さでもハウスクリーニング業者により金額はかなり違います。

2LDK でのハウスクリーニング料金は内容にもよりますが25,000円~70,000円の幅がありました。

もし入居者が選定できるのであれば、数社から見積りをもらい少しでも費用を削減することができるでしょう。

【引っ越し時注意】原状回復工事発生について

借家人が入居時に破損、汚損をしてしまった場合の原状回復工事は意外に高額なものになるときがあります。

注意すべきは床・壁そしてドアなどの建具です。

この部分での破損が多いですが原因の一つとしては、短期間に引っ越しして出入りするために家財運搬時に壊してしまう、特に業者に頼まず自分たちで引っ越し作業をして破損しまったというパターンがほとんどです。

専門の引っ越し業者のように壁や床を保護シートで覆い破損をさける(養生)までしないケースでトラブルがおきます。壁や床も一部分のみの破損や汚れであったとしても、その部分のみ交換ということはできません。そのため一面張替えする必要がでてきますし、壁も同じ状況で壁1面張替えとなります。

原状回復工事費用目安
  • 室内のドア交換費用・・・10万円
  • 6畳間床フローリング張替え 15万円~20万円
  • 壁一面張替え・・・1部屋3万円~5万円前後
  • 畳一畳・・・・・・2万円前後

この金額は工賃を含む概算ですが、最低価格でこれだけの金額になります当然材質によってはもっと高額になる場合もあります。引っ越し時の破損ではほとんどの場合、入居者の負担になる場合が多いです。経年劣化の部分、特に床や壁の張替え時は話し合いによって多少オーナー側も負担することはありますが交渉次第というところです。

引っ越し業者を依頼するのは高くつきますが、このようなトラブルを避けるため養生を丁寧にしてくれる業者を選定することをおすすめします。

「仮住まい」への引っ越しはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>「仮住まい」への【引っ越し】を徹底解説。荷物量・距離が重要!

「仮住まい」であることは伝えるべきのまとめ

仮住まい探しは大変な印象がありますが、時間をかけて探せば意外に早く見つかることも多々あります。ポイントは築古物件や自主管理物件などがスムーズにいくことが多いです、あきらめず早めに不動産会社へご相談してみてはいかがでしょうか。